Mr.Childrenというバンドの歴史

デビュー当時はそこまで

いきなり大ヒット、というわけではない

ミスチルとして始動した1989年から華々しい歴史が幕を開ける、というわけではない。ここから更に3年もの下積みを経てようやく、メジャーデビューへとこぎつけられた。それまではライヴハウスでのバンド活動をメインに往々とした時間を過ごすなど、至極堅実的な時間を過ごしていたという。今のミスチルからは考えられない瞬間といえるでしょうが、往年のコアなファンともなれば既にこの頃からファンをしている、という人もいそうだ。そこまでの熱血的な追っかけがいたかどうかは定かではないにしても、着実に活動を続けていく中である程度のファン層を勝ち得ていったとも考えられます。

こうしたバンド活動を続けていく中で1991年に運命的な出会いを果たした。運命の女性との出会い、というものではなく、ミュージシャン的な意味での分岐点と言ってもいいレベルのものになります。ミスチルを育てた親とも言える存在で、のちに90年代の黄金期における音楽シーンで数々のヒット作を生み出したことでも知られるようになる『小林武史』さんとの出会いだ。これによりミスチル、並びに小林さんにとっても、双方の歴史が黎明となる瞬間を迎えます。

そして運命的な邂逅から半年後、1stミニアルバムである『Everything』をリリースし、メジャーデビューを果たした。

無名時代においても

大々的な宣伝を当時行っていたかどうかについては、筆者はまだ幼かったのでよく覚えていないものの、このアルバムは当時のランキングで見れば決して順風満帆な生活が始まりの狼煙を挙げるといった期待感に満ち溢れたものではなかった。その頃はお化けヒット作が連発する時代、ミリオンセールスなんて一年に十数枚も出るといった異常な頃でもある。今にしてみればCDを購入しなければ音楽を聴けないという環境が整えられていたからこその現象と言える。今では10万枚売れれば御の字と1/10までに低下しているのだから、どれだけ世知辛い時代かといえるでしょう。

ただそれは当時にしてもかなり辛口に見られていた。ミスチルがデビュー当時、いくらライヴハウスを中心に活動していたとはいえ、ある一定の界隈でのみの知名度に留まり、全国的に見れば無名に等しい。宣伝時にいくら話題沸騰、注目株と謳われても実際にデビューしたからこそ知ったという人がほとんどでしょう。記念すべきメジャーデビュー作となるミニアルバムは当時『25位』と、無名の新人にすれば十分すぎる成績だと筆者は感じたが、当時にすれば新人なんてこんなもんだろうと言われるレベルだった。

それはそれで末恐ろしい時代ですが、それだけミスチルにも苦汁を舐めさせられた時期があった事を意味しています。

ファーストシングルの発売

今ではさほど珍しい話ではありませんが、当時のバンドデビューとしてみればシングルからではなく、ミニアルバムからスタートするというのは面白い発想と言えるでしょう。ただ当時はまさに日本音楽の全盛期と言えるほどの盛り上がりを見せていた時代、今と比べて天と地ほどの差があるくらいに市場が盛り上がっていた。今とは比べ物にならないくらいにメガヒット作が生まれる中で、ミスチルはかなり小さな存在だったのは認めなくてはならない。

それを象徴するように、Everythingを発売してからの1stシングルである『君がいた夏』はオリコン最高位69位という褒められた成績ではなかった。ミニアルバム発売後だからこそ、ある程度知名度を持たせればという試みもあったのでしょうが、それは叶わなかったのでしょう。後に発売するシングルCDがほぼ確実に首位を獲得するのが定番になるミスチルにもこんな時代があったのかと、そんな感慨深い側面が見られるだろう。

最初から売れなかったからこそ

ただこうした最初から売れていればと、そう思うこともなくもないでしょうが、逆にこれはこれでミスチルというバンドの完成度に頷ける歴史といえるのではないでしょうか。その後のヒット作が出来上がっていくのも、こうしたありふれた誰もが経験するだろう下積みを長く経験したからこそ、多くの人を感動させる音楽を作り出せたとも考えられます。サザンにしてもラルクにしても、デビュー時からいきなりスターダムにのし上がっていくといった快進撃ではないので、音楽に対して真摯な気持ちで向き合えるというのではないか。

苦労は人を育むものですから、こうした経験あってこそ今のミスチルに繋がっているのだろう。

徐々に活動が増え始めていく

名実ともに爆発的なヒットを飛ばすまでは少し時間は掛かるものの、それでもミスチルというバンド名は確実に日本各地の中高生から20代の若者たちを捉えて離さない、そんな存在へと昇華していった。まだ明確なヒット作がないのかといえるくらいに存在を大きくさせていきますが、ではミスチルが本当の意味でスターダムへ上がり、トップアーティストという地位を獲得、日本を代表するバンドになるまでどのような名曲が生まれてきたのか、その歴史を見ていこう。

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