Mr.Childrenというバンドの歴史

オレンジデイズとミスチル

間違いなく名作

Signを主題歌にしたドラマといえば『オレンジデイズ』である、確実に00年代の中では名作と呼ばれるだけの作品なのは間違いない。かくいう筆者も今作は本当に面白くて、毎週見ていたほどハマっていた。単純に面白かったというのもあるが、平凡な日常こそが本当の幸せなのだということを知らせてくれる、そんなメッセージ性もあって好んでいた。とはいえ、大半の視聴者が、

『こんなキャンパスライフを過ごしてみたい』

という一点に尽きるほど眩しい日々が描かれています。

事実、オレンジデイズのような大学生活をしてみたいと語る人も多く、自分もあんな生活してみたいとは言っても登場人物たちに振りかかる現実問題も中々シビアだ。それこそ一度決まった就職を蹴って、再度違う進路へ向かうために邁進するというのは難しい。ただ今作の主人公は非常に堅実的な道の選び方で、時計店への就職よりもリハビリ師としての道を選ぶといった献身的な職業選択をしている。これでもし歌手やら芸能人やらといったものになるという進路だったら、確実に嫌悪したでしょう。序盤ではもう結婚寸前とまで考えられていた女性と付き合っていましたが、進路のことで揉めてからは修羅場に突入していた。

ある意味ではまぶしすぎる青春とは裏腹に真っ黒すぎる側面も浮かんでいたのが、今作の特徴でもある。言ってしまえば表裏をきちんと細やかに描いていたからこそ、仲間と過ごすシーンの美しさがより映えたとも考えられるはずだ。何にしても、この作品の面白さはそうした映像美と日常の表と裏を繊細に描いたところにある。

同級生や若者のすべてと比べれば、まだソフトな内容なので見やすいといえば見やすい。では簡単に今作のあらすじを述べていこう。

作品概要

あらすじ

大学卒業を控えた4年の春、結城櫂はキャンパス内で漠然と襲いかかる将来の不安を感じながら歩いていた。その時、彼の耳元でバイオリンを奏でる1人の女学生と出会う。無断で聴かれたことに駄賃を要求する彼女に、櫂は持っていたオレンジを手渡して聴衆料として渡します。その後、自分はこのままで良いのかと考えてながら歩いていると、いつもつるんでいる悪友の相田翔子と矢嶋啓太と話していると、啓太がある女学生と近づくためにデートしようとするも聴覚障害を持っていることを知って気が引けてしまう。

そこで啓太は手話が出来る櫂に、代わりのデート相手をしてくれと頼まれてしまい、渋々ながらもその申し出を引き受けることになった。待ち合わせした遊園地、そこに現れたのは見事なバイオリン演奏を披露してみせた女学生、萩尾沙絵だった。かつてバイオリニストとして将来を嘱望しながらも聴覚を失い、喋ることもままならなくなってしまったため、彼女は鬱屈した毎日を過ごす。しかし櫂との出会いをきっかけに、生きる意味をもう一度掴むために音楽の道を見出すようになり、そんな彼女のイキイキとした姿を見たことで櫂もまた己の将来を見直すようになるのだった。

今の自分が本当に正解か

この作品の登場人物は、一様に将来への不安を感じている。櫂は付き合っている年上の彼女と結婚を考えつつ、自分の進路はこのままで良いのかという事に不安を覚え、そんな時に沙絵と出会った。自分と比べて、生きる意味も自分がどうしていいのかも分からなくなり、自暴自棄になっていた彼女の心を優しく後押しする姿が印象的だ。特に沙絵は突如聴覚を失って、音楽家としての道を歩んでいたところで、その全てを奪われてしまったのである。それがどれほどの絶望か、考える由もないでしょう。

基本は恋愛が中心になっていますが、それまで健常者として生活してきた沙絵が障害を負い、自分の環境に適合できずに苦しむ姿も描かれている。楽しさもそうだが、障害を持つ人の世界がこういう風に見えてしまっているのだと第三者の視点ながら酷く悲しげに見えてしまった。先天的ではなく、後天的に背負う方が現実を肯定できずに苦しみやすいのかもしれませんね。苦しみは同じでも、将来をどうするか決めていた沙絵にとって櫂と出会うまでは地獄だったといえるのではないか。

こんなキャンパスライフが過ごしたいとはいっても

そんなめくるめく、可愛い女の子と出会って楽しいキャンパスライフを過ごす様子が描かれていますが、実際にそんな日々を堪能した人がいるか。憧れていた人の中には本当にそれを実践するため、劇中で『オレンジの会』を本気で作った人もいるという。それでもあれだが、大学という場所が遊んでいられるだけではないのが入学してみれば分かる事だ。仲間との楽しい日々もいいが、とりわけ勉強や就職に対しての表現が少し弱めだったため、大学という場所を勘違いしてしまった人も少なくないでしょう。

大抵入学すれば思い知らされるが、ドラマみたいな大学生活とは違うことに悲観することを『オレンジデイズ症候群』といった造語まで巷で作られた。

主題歌との相性は抜群

こうした内容と主題歌であるSignが人気を出したのも頷けるでしょう。楽曲について語るなら、オレンジデイズについても触れる必要がある。はっきり言えるのは、オレンジデイズを語るとするならミスチルの話題は必須という点だ。

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